まぶしくて-私たちの輝く時間- 毒舌感想

takakoです。

BS朝日で放映されていた「まぶしくて-私たちの輝く時間-」。またタイムトリップドラマ?と思いましたが、全く違っていました。ネタばれあるので、ご注意を。

幼い頃、へジャは針を戻すと、過去に戻るという時計を海岸で拾います。ただ、副作用があって、過去に戻ってもへジャの体は現在のままなので、その分年をとってしまうのです。そのため、周りより成長が早くなってしまい、へジャはその時計を使うことをやめてしまいます。ただ、父が交通事故で亡くなったことで、パンドラの箱を開けてしまうのです。そう、時計の針を戻して、父を助けようと。その結果、25歳のへジャは70代のおばあさんになってしまうのです。

最初は落ち込むも現実を受け入れることにしたへジャは、友人たちにも真実を告げます。幸い、ヒョンジュ、サンウンは、おばあさんになったへジャとも今まで通り接してくれます。ただ、へジャは、25歳の姿で出会った恋人一歩手前のジュナには真実を告げられないまま。そうこうしているうちに、へジャは持て余した時間で、老人たちが集う会に参加。すると、そこにジュナがいたのです。てっきり記者になっていたと思っていたジュナが、詐欺まがいのことをしていると知ります。へジャは何とかジュナをそこから抜け出させようと奔走するのですが・・・。

実は、この脱出劇の後に、このタイムスリップはへジャの妄想だったと判明。70代のヘジャが真実の姿で、ヘジャがお父さん、お母さんと呼んでいたのは、へジャの息子と嫁。認知症で、現実と夢が錯綜状態になっていたのです。なぜこのような妄想が起きた方というと、亡くなった夫ジュナのことを忘れたくなかったからかなぁ~と。ドラマの中ではその部分をはっきりは示していませんでしたが、ヘジャが自分の記憶がなくなることは、ジュナのことを忘れることになると恐れていたんで。よく、人は2回死ぬと言いますが、その2回目に当たるってことでしょう。

正直、前半の妄想部分のストーリーは、ちょっとした喜劇くらいな感じで楽しめたのですが、後半のヘジャがどんどん記憶をなくしていく過程は涙涙。へジャのお見舞いに着たヒョンジュによって、へジャとジュナの結婚、ジュナの死亡までの話が回想されるののですが、幸せだった瞬間って本当にあっという間だったというのがわかります。幼い子供を一人で育てるため、へジャは美容師になり、仕事に明け暮れる毎日。息子にも優しい言葉をかけず、とにかく冷たい。何だかなぁ~と思っていたら、へジャは息子に見えないところでは優しさを発揮していたのです。そんなヘジャの優しさを、息子はヘジャが認知症で息子のことも判別できなくなって知るなんて、何だか哀れ。もっと早くに知っていたら、親子関係も違っていただろうと。そう考えると、あの長い妄想は、ヘジャの後悔だったのかも!と思え、いろいろ考えさせられました。

それにしても、70代のキム・ヘジャを演じたキム・ヘジャさん。心は25歳のままという設定のため、25歳のヘジャが着ていた洋服をそのまま着るのですが、めちゃくちゃ似合っててびっくり!派手な化粧をしているわけでもないのに、いい。こういう年のとり方が理想だわ~と。おまけに、25歳のままの友人ヒョンジュ、サンウンと一緒に行動する姿も、おばあさんと孫という感じではなく、本当に友達みたいで自然体。もちろん演技力というのもあるでしょうが、醸し出す雰囲気が若いっていうのもあるでしょう。

そして、「まぶしくて-私たちの輝く時間-」で一番の清涼剤というか、ドラマに緩急をつけていたのは、何と言ってもヘジャの兄ヨンス。やることなすこと突拍子もない上に、行動が全く読めない。妹たちが海に行くと聞き、トランクに潜入してくっついて行こうとしたものの、車は海外に売り飛ばされ・・・というシーンで、ヘジャが現実に戻ったので、どうなったのかはわかりませんが(笑)。ただ、ヒョンジュの回想で、ヨンスはへジャの妄想に近かったのは確かです。

あの幸せだった瞬間を胸に生きていくという「まぶしくて-私たちの輝く時間-」のラストシーンは、心にずっしり残ります。ナム・ジュヒョクが人生ドラマとインタビューで語っていたのも納得です。

■キャスト
キム・ヘジャ(70代(?)のキム・ヘジャ役)
ハン・ジミン(25歳のキム・ヘジャ役)
ナム・ジュヒョク(イ・ジュナ役)
ソン・ホジュン(キム・ヨンス役)
アン・ネサン(ヘジャの父役)
イ・ジョンウン(ヘジャの母役)
キム・ヒウォン(キム・ヒウォン役)
キム・ガウン(イ・ヒョンジュ役)
ソン・サンウン(ユン・サンウン役)

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